2020年

1.三次元的な地下構造を有する堆積盆地の弾性・弾塑性地震応答解析

地盤内に不均一な堆積構造が存在する場合,地表面では局所的な強震動や長時間に亘る地震動の継続を生じ,被害が甚大化することが知られている.
本研究では,表に示す三次元球形堆積盆地を対象に地震応答解析を実施した.
(1)
材料を一相系弾性体とした場合,
三次元構造に起因して,円環状のひずみ分布や複雑な波動干渉が解かれた(動画参照).
その地表加速度は表(a)~(c)の低次元解析と較べて遥かに大きく,スペクトル特性も全く異なることから,三次元解析の重要性を指摘した.

(2)
材料を二相系弾塑性体として同様の解析を行った.緩い砂地盤を想定した場合,
堆積層全体での平均有効応力低下(液状化)と,それに伴い堆積層全体が流動する「スロッシング現象」が解かれた(動画参照).
液状化により波が伝わらなくなった結果,地表加速度は図(a)のように減衰し,堆積層内での伝達関数図(b)も時間経過とともに1未満に転じた.また,材料を軟弱粘性土とした場合には,顕著な増幅と長時間の揺れが解かれるなど,堆積層の構成材料による応答の差異も明らかとなった.

2.一様圧縮作用下でのImbricationおよびデコルマの形成解析

水平圧縮を受ける地盤内に発生する変動地形として,共役なすべりに挟まれたブロックが隆起する「pop-up」,平行な衝上断層群である「imbrication」,水平断層である「デコルマ」の形成過程をGEOASIAによる弾塑性変形解析で再現した.

Case1
一相系超過圧密地盤を水平圧縮すると,底面を摩擦なしとしたPop-upの発生が解かれた。
Case2
底面に一様圧縮場を与えた場合ではimbrication(piggyback型:新しい衝上断層が古い衝上断層の下盤側で形成されてゆく衝上順序)の形成過程が解かれた.
Case3
右端での側面摩擦を考慮した場合では,上盤側で衝上断層が進展するOverstep型の衝上順序となり,その発生間隔も異なるなど,imbricationの様相が境界条件に応じて大きく異なることを確認した.
Case4
材料を半固結堆積岩とした二相系解析では,模型中央においてデコルマが発生して領域Iが剥ぎ取られ,その後,最初のデコルマの下盤側で二本目のすべりを生じ,領域Iの底に領域IIが付加される様子が解かれた.また,デコルマ面上での正の過剰間隙水圧や変形の局所化に伴う地震動の発生も解かれた.