真空圧密工法の大型模型実験の3次元水~土連成有限変形解析

 浚渫土砂を用いた埋立地盤の早期圧密・残留沈下抑制を目的とした真空圧密工法*に関する大型模型実験について三次元解析を実施し、実験結果をよく再現できることを示した。図1は、層別沈下の比較を、図2、3は、ドレーン有りと無しの領域での間隙水圧の経時変化の比較を示していて、いずれも良く一致している。動画は、負圧がドレーン部全体に伝わった後各深さで伝播し、それに伴って、ドレーン周辺の土から圧縮が始まっている様子を確認することができる。

 この圧密問題においては、未圧密状態の土砂が大圧縮を示すことから、次の①~④に示す解析上の特徴が必要である。

①圧密開始前の高間隙比と静水圧以上の間隙水圧を有する未圧密状態(コロイド状態)の土砂の力学挙動を表現するため、上負荷面概念に基づく弾塑性構成式を用いること、

②刻々の大沈下/圧縮量を正確に計量しつつ上澄み水も考慮できる水~土連成有限変形解析であること、

③土の大圧縮に伴う透水性変化モデルを導入していること、

④バーチカルドレーンもモデル化した三次元解析が可能なこと。

これらは、GEOASIA®が実装しているものである。

*梅原ら(2020):真空井戸を用いた真空圧密工法に関する大型模型実験,第55回地盤工学研究発表会.

図1
図2
図3