2019年

(1)球形ガスホルダー‐軟弱地盤系の地震時~地震後挙動

N値10以下の緩い砂層および軟弱粘性土層上に杭支持で設置された球形ガスホルダーについて,等しい加速度応答スペクトルを示す2種類のL2地震動を入力して,地震時~地震後の沈下挙動について調べた.入力地震動は,直下型地震と海溝型地震動である.直下型地震動では,杭は主要動開始から5秒程度でほぼ全域が損傷し,一方,海溝型では100秒の間に徐々に損傷した.杭は地震中にほぼ全断面で損傷したため地震開始時から杭が存在しない場合を想定した解析も実施した.その結果,直下型地震動入力時には,杭あり・なしともに同様の沈下挙動を示したが,海溝型地震動入力時には,杭ありの場合、粘性土層の剛性低下によるせん断変形が抑えられ,地震中に杭はほぼ損傷するもののガスホルダーの地震中の沈下を抑えられることが分かった.


        入力地震動                 沈下時刻歴

直下型地震

海溝型型地震

(2)異なる特性を持つ2つの地震動に対する泥岩高盛土の耐震性に関する数値解析的検討

泥岩盛土は造成後,スレーキング進行に伴い耐震性低下を引き起こす.そこで本研究では,実盛土で行われた地盤調査をもとに,盛土の状態を解析上で再現した.その後,本盛土に対し,異なる特性を有する2つのレベル2地震動への耐震性把握を試みた.海溝型地震では,長時間の繰り返し載荷を受けること,第一波により剛性が低下した状態で第二波を受けることで,せん断ひずみが進展した.一方で直下型地震では,地震動が短いことから大変形に至らなかった.

兵庫県南部地震入力時

南海トラフ地震入力時

(3)置換・押え盛土工を施した傾斜地盤上に造成した盛土の地震応答解析

傾斜地盤上に造成した盛土に置換・押え盛土工を施した際の耐震性について,数値解析的に検討した.置換・押え盛土工を実施すると,いずれの盛土についても耐震性が向上した.また,押え盛土の高さを大きくすると,押え盛土による補強効果が広い範囲で得られるため,押え盛土が最も高いケースが最も耐震性が向上し,右のり肩の変位が半分以下まで抑制された.


無補強

置換・抑え盛土工

(4)液状化地盤における電柱のドレーン化による地震時変状抑制効果の数値解析的検証

電柱に対する新しい耐震対策工法として,地中部電柱ドレーン化工法に対する数値解析的検証を行った.地震中の過剰間隙水圧上昇が抑制されるため,電柱周りの地盤が剛性を保ち,電柱の揺れ(傾斜)が小さくなることを示した.別途実施した遠心力模型実験ともよい整合性を示しており,電柱ドレーン化によって液状化地盤の電柱の変状抑制効果があることを確認した.

入力地震動および過剰間隙水圧比


無対策時

対策工法による過剰間隙水圧上昇の抑制